居候同期とフクザツな恋事情




「あのさ。こんな俺にポテチを恵んでくれた優しい在原さんにひとつお願いがあるんだけど……」

仲林くんが綺麗な瞳で私をジッと見つめながら、急に下手な態度に出始めた。

一瞬ときめいたことが嘘だったかのように、途端に嫌な予感がする。

仲林くんのほうに差し出していた手をポテチの袋ごと急いで引っ込めようとすると、仲林くんの大きな手が、逃すまいと私の手首をつかまえた。


「今の話でだいたい俺の現状はわかってもらえたと思うんだけど。俺、当面住むところがないんだよね」


いや。あなたの現状なんて、私にはさっぱりわかりませんけど。

そんな想いを込めて大きく頭を左右に振ったら、仲林くんがつかんだ手首をぐっと自分のほうに引き寄せる。

状況が状況なら、胸を鼓動させて仲林くんを熱い眼差しで見つめる展開なのだろうけど。

状況が状況なので、仲林くんにつかまれた私の手はポテチの袋ごとプルプルと小刻みに震えていた。


「今こうして、在原さんに助けてもらってるのは何かの縁じゃないかと思ってて。だから、新しい家見つかるまででいいから、しばらく泊めてくれない?」