居候同期とフクザツな恋事情




「諦めてるよ。今さら、美玲とどうこうなるとか思ってないし。ただほんとに、ちょっと複雑なだけ」

唇を歪めて笑うイオは淋しそうで、「諦めてる」という言葉が彼の本音だとは思えなかった。

うつむいてしまったイオと私のあいだに、微妙な沈黙が流れる。

その空気に耐えきれなくなった私は、わざと明るい声を出した。


「あ、そうだ!一緒に食べようと思ってプリン買ってきてるよ。食べたら、元気出るかも」

「今日はそんなんじゃ元気でない……」

「わかんないじゃん。食べてみなきゃ」

苦笑いを浮かべるイオの肩をぽんと叩く。

冷蔵庫にプリンをとりに行くために立ち上がろうとしたら、イオが私の手をつかんだ。


「プリンとかいいから、メェちゃんがここにいてよ」

私を引き止めた彼の目が、縋るようにこちらを見上げていて、ドキッとする。

まだ完全にお酒が抜けていないらしいイオの目は、どことなくぼんやりとしていて頼りない。