「滝宮さんが浮気してるかもってこと、永田さんにはっきり教えてあげればよかったんじゃない?怪しい現場を見た、って」
「そんなの、俺から言えるわけないじゃん。そもそも信じないだろうし、信じたとしたら美玲のこと傷付ける」
頭を抱えて悩むイオは、自分の立場が悪くなるよりも永田さんを傷付けないようにすることばかり考えていて。
今も彼女のことを大事に思っているのだとわかった。
「永田さんのこと、気になる?」
「んー、気になるっていうか……他に好きなやつができたって言われて別れたのに、そいつに美玲以外の女がいるとかなったら……フラれた俺としては、複雑じゃん」
額に手をあてたイオが、なんだか切なげに眉尻をさげる。その表情に、私の胸がざわざわとした。
「もう諦めなよ」
イオの顔をジッと見つめながら、気付けばそう言っていた。
切なげな目をするイオを励ますためじゃなくて、自分のために言った。認めたわけじゃないけど、少なからずそういう自覚があった。



