「別に」
「そう?なら良いけど。さっきからなんか荒れてるから」
苦笑いを浮かべて行ってしまおうとする絢子を、ふと思い立って引き留める。
「絢子、今日、一緒にご飯食べて帰らない?もし、旦那さんが大丈夫なら」
誘いかけると、絢子が笑顔で頷いた。
「いいよ。ちょうどさっき、旦那から今日飲み会でご飯いらないっていう連絡あったんだ。作るの面倒だから、何か買って帰ろうかと思ってたし、ちょうどいい」
「あ、絢子も?夕方になって、急に要らないって言われても困るよね。こっちも段取りとかいろいろあるじゃん?」
「ん?芽衣、誰かにご飯作る予定でもあったの?」
絢子の家の状況の共感して頷く私に、彼女が訝しげに訊ねてくる。
「あ、いや。違うんだけど。きっとそうだろうなーっていう、想像?」
慌てて誤魔化したけど、絢子はやっぱり訝しげに私のことを見ていた。
「と、とりあえず、私は30分後には終わりそうなんだけど、絢子は?」
「私ももう終わる」
「じゃぁ、あとで」
私は絢子との約束を取り付けると、宣言通り30分で残りの仕事を終わらせた。



