「じゃあ、また明日ね~!!」

「バイバイ」

2人と駅前で別れて歩き出す。

その時、ポケットの中のスマホが震えた。

【今日もサエコいばっててうざかったねー。自慢話ばっかり聞いててもうちらは全然おもしろくないっつーの!】

さっきまで一緒にいたナナから届いたメッセージ。

今も隣にいるであろうサエコの目を盗んでまで、わざわざあたしにそんなメッセージを送ってきたナナにため息が漏れる。

【今もサエコと一緒でしょ?お疲れ~!!】

適当に返事をする。

どうせ、今頃ナナはサエコにあたしの悪口を吹き込んでいるに違いない。

あっちでもこっちでもいい顔する嫌な女。

信用なんてできるわけない。

心の中では文句を言うくせに、絶対に態度や口には出せない小心者のあたし。

サエコとナナに嫌われたら、あたしは教室でひとりぼっちになる。

休み時間や昼休みなんてなければいいのに。

そうすれば一人でいる選択肢だってできるかも。

ひとりぼっちの何が辛いって、多分、一人でいることじゃない。

一人でいる子って周りの人間から認識されるのが嫌なの。

一人でいる可哀想な子っていう目で見られたくない。

自分でも信じられないぐらいあたしは人の目が気になる。

自分がどう思われているのかが気になって気になって仕方がない。