わたしにしか見えない君に、恋をした。


多分、アームの先で写真立てを押せば落ちる。

「湊、はい、手」

ギュッと右手を掴んだ流奈。

「あぁ」

俺は流奈の手をギュッと握り返した。

ボタンを押すと、にぎやかな音を立ててアームが動き出した。

想像通りの場所にアームが向かい、写真立ての隅を押すと、写真立ては回転するように転がり落ちていった。

「落ちた」

取り出し口に落ちた写真立てを流奈に手渡そうと差し出すと、流奈は泣いていた。

胸がどうしようもなく締め付けられる。

俺はどうして流奈と手を繋いでるんだ……?

どうして……――。


「……流奈?」

流奈は黙って首を横に振って涙を流し続ける。

苦しそうで、切なそうで。俺はかける言葉につまった。

「いこう」

俺はただ黙って流奈の手を引いてゲーセンを後にすることしかできなかった。