わたしにしか見えない君に、恋をした。

「隠そうとすんなって」

流奈の手首を掴んだ瞬間、目の前に不思議な光景が過った。

目の奥にストロボをたかれているみたいだ。

写真がコマ送りされていくかのように不思議な光景がチカチカと点滅するように蘇る。


なんだこれ。これってデジャヴっていうのか……?

流奈も何故か固まっている。

「あ、わりぃ」

パッと手を離す。

流奈は俺が手を離したことになんて気付かない様子でなにやら考え込んでいる。

なんだ、今の。どうしてだ。前に流奈と一緒にこの場所に来たような気がした。

ここで同じようなことをした気がする。

そんなはずがないのに。それなのに……。

「ねぇ、湊。このプリクラ……見覚えない?」

わずかな間の後、流奈は俺の前に一枚のプリクラを差し出した。

「いや、わかんねぇな」

そのプリクラの左半分に流奈が笑顔で映っている。でも、なぜか右半分には誰もいない。

「これ一人で撮ったのか?」

「それはないと思うんだよね。あたし、一人でプリクラ撮ったことないし」

「だとしたら、どうしてこっち側に誰もいないんだよ」

「……消えちゃったのかな?」

「消える?なんで?」

「わかんないけど……。そんな気がするの」

プリクラをジッと見つめる。穴が開くほど見つめても、やっぱりそこには誰もいなかった。