「特別じゃなくたっていい。生きていればなんでもできるし。なんでもはじめられる。それに、流奈が生きているだけで救われる人もいる」

「そうなのかな……?」

「流奈の家族だって友達だって、俺だって。流奈が生きてることで救われてる。そうやってみんな知らぬ間に繋がってて知らぬ間にお互いのことを助けてる。そんな関係の中だったら、一人でも欠けたらダメだしみんな特別な人間じゃん」

湊の言葉が心にストンっと落ちてくる。

「特別か特別じゃないかなんて、そんなのどうだっていい。みんな同じ人間じゃん。命は平等だ」

湊はそう言うと、ギュッとあたしの手を握った。

「ほらっ、時間ヤバいぞ!走れ!!」

その声につられ、あたしは湊に引っ張られるように駆け出した。