「そっか。よかったじゃん」

家に帰って今日あった出来事を話すと湊は微笑みながらあたしの頭をポンポンッと優しくたたいた。

ベッドに隣同士に腰かけているあたし達。

湊に触れられた途端顔が上気して胸が高鳴る。

思わずぷいっと湊のいるほうから顔をそむけると、湊は不機嫌そうな声を上げた。

「つーか、なんでそっち向くんだよ」

「べ、別に。特に理由はないってば」

「照れんなよ」

「……はいっ!?あたしがいつ照れたのよ」

顔は湊からそむけたまま。

目を合わせることができない。

「今」

「照れてません!!ていうか、湊を見て照れるわけないでしょ!?」

「別に俺を見て照れてるなんて言ってないじゃん。……つーか、流奈ってもしかして俺のこと……――」

「そんなわけありません!!」

そう言って顔を戻すと、湊と至近距離で目があった。

「……――っ」

息ができない。自分でも信じられないぐらい動揺している。