「あー、眠い」
教室の中であくびを繰り返すあたしに、サエコが不思議そうな目を向ける。
「何。どうしたのよ?寝不足?」
「うん……。ていうかさ、今朝初めて金縛りにあったんだけど」
「嘘~!!やばくない?で、で、幽霊みた!?」
ナナが甲高い声を上げる。
「ううん。怖くて目なんて開けらなかった」
17年間生きてきて金縛りにあったのは今日が初めてだった。
頭の中ははっきりしているのに、体が全く動かせない。
指一本すら動かすことはできず、声を出すこともできなかった。
目は開けられそうだったけど、目を開けて布団の上に幽霊がいたらって想像したら開けることなんてビビりなあたしにできるわけがなかった。
「うわぁ!流奈、後ろ後ろ!!」
急にナナが声を上げて顔を歪めると、あたしの後ろを指差した。
「何!?」
慌てて振り返ってみても、後ろには誰もいない。
「あははは!流奈ってば、超ビビってんの~!」
「ちょっと、やめてよ!!本当に怖かったんだから!」
普段はどうってことのないナナの冗談を流すことができないぐらい、動揺してしまった。
だって、なんだか本当に後ろになにかが憑いているような気がするから。
心なしか少し寒気もする。
「あーー、やだやだ。こういう時って塩まけばいいのかな……」
あたしは意味もなく肩を手で払った。
教室の中であくびを繰り返すあたしに、サエコが不思議そうな目を向ける。
「何。どうしたのよ?寝不足?」
「うん……。ていうかさ、今朝初めて金縛りにあったんだけど」
「嘘~!!やばくない?で、で、幽霊みた!?」
ナナが甲高い声を上げる。
「ううん。怖くて目なんて開けらなかった」
17年間生きてきて金縛りにあったのは今日が初めてだった。
頭の中ははっきりしているのに、体が全く動かせない。
指一本すら動かすことはできず、声を出すこともできなかった。
目は開けられそうだったけど、目を開けて布団の上に幽霊がいたらって想像したら開けることなんてビビりなあたしにできるわけがなかった。
「うわぁ!流奈、後ろ後ろ!!」
急にナナが声を上げて顔を歪めると、あたしの後ろを指差した。
「何!?」
慌てて振り返ってみても、後ろには誰もいない。
「あははは!流奈ってば、超ビビってんの~!」
「ちょっと、やめてよ!!本当に怖かったんだから!」
普段はどうってことのないナナの冗談を流すことができないぐらい、動揺してしまった。
だって、なんだか本当に後ろになにかが憑いているような気がするから。
心なしか少し寒気もする。
「あーー、やだやだ。こういう時って塩まけばいいのかな……」
あたしは意味もなく肩を手で払った。



