エスカレーターでホームに上がり、電車を待つ。
今日は幸い雨も降っていなくて、ラッキー。
電車に乗りこむと、椅子が点々と空いてるくらいで並んでは座れない感じだった。
「座れば」
「いや、5駅くらいならいいですよ」
「体力温存しとかないと、帰りしんどいぞ」
確かに。本10冊は持つ計算か。
私は椅子に座り、その前に茜部先輩が立つ。
5駅で降りて、次の電車。こっちは2駅だ。ただ、区間が長い。こっちは割と空いている。並んで座る。
「ところで、先輩の用事って?」
「ただ学校の用事だけで帰るのも嫌だろ。だから、昼飯でもどうだ?」
「あー、今手持ちそんなに無くて…」
「俺が勝手に誘ったから払う」
「いや、いいですいいです」
「バイトしてるから気にすんな」
「え、でも…」
「礼がしたいなら、俺のコーディネートでも組んでくれ」
「服?」
「いつも同じようなのしか着ないから、何か女子目線で組んでほしい。それが2個目」
「分かりました」
私にメンズ服のセンスがあるかは分からないけれど。
駅に着いて、コオカ堂書店に着く。改修工事をしてからは初めて来る。綺麗になったなぁ…。



