彼のバイトがない日はよくうちに遊びにきた。 学校からそのまま夕飯の食材を買って、私のアパートに帰る。 今日みたいに、いつも夕食を作ってくれる。 味は保証できないけれど、楽しそうに作る姿は見ていて飽きない。 「ねえ、橙(おう)、美味しかった、たぶん」 「たぶんってなんだよ。次は成功するからいーの。」 頬を膨らましていじける彼。 可愛くて仕方がなかった。 「ねえ、キスして。」 急にこんなこと言ったり、したくなるのは彼だけ。 「ん。」 応えてくれるのはわかってた。