「あの村の人々しか知らぬような抜け道などはありませんか?」
「抜け道?でも、相手は用意周到な奴だぞ?すぐにバレるような道をあの方がお使いになられるか?」
「カナケトの言っていた事件の子供たちが一緒であれば追われている事を他所に危険の少ない道を選ばれている可能性はあるかと。それにあの焼いて文字を掘った看板。もしエイミア様か他に一緒にいる者が魔法や魔力を使えるのだとしたら時間稼ぎに何か罠を張っている可能性も」
バカらしくても手がかりのない今は行ってみる価値はある。そう伝えると、ヅヌダクは進行方向を森の中へと変えた。そこは樹海の森とも呼ばれている場所で人が近付く事はおろか、獣さえもいないのだとか。
歩き続けて三日。真昼なのに火を炊かなければ暗くて分からない森の中、離れぬよう出来るだけ密着して歩いた。ただ彼女と早く会える事を願って。
森の中は獣どころか虫もおらず、風が通り抜ける音だけが呻き声のように鳴っていた。通りで入れば戻ってこられないと言われている訳だ。
「抜け道?でも、相手は用意周到な奴だぞ?すぐにバレるような道をあの方がお使いになられるか?」
「カナケトの言っていた事件の子供たちが一緒であれば追われている事を他所に危険の少ない道を選ばれている可能性はあるかと。それにあの焼いて文字を掘った看板。もしエイミア様か他に一緒にいる者が魔法や魔力を使えるのだとしたら時間稼ぎに何か罠を張っている可能性も」
バカらしくても手がかりのない今は行ってみる価値はある。そう伝えると、ヅヌダクは進行方向を森の中へと変えた。そこは樹海の森とも呼ばれている場所で人が近付く事はおろか、獣さえもいないのだとか。
歩き続けて三日。真昼なのに火を炊かなければ暗くて分からない森の中、離れぬよう出来るだけ密着して歩いた。ただ彼女と早く会える事を願って。
森の中は獣どころか虫もおらず、風が通り抜ける音だけが呻き声のように鳴っていた。通りで入れば戻ってこられないと言われている訳だ。



