恋敵は婚約を望むと言った。身分なんて関係ない、心が第一という考えなのかしら。でも、その同僚は嫌だと言った。例え両思いであっても身分はわきまえていたいと。そうしなければ国民の上で暮らすという責任感に押し潰されてしまうと。

「私は他の王族の方から愛されても妻にはなれません。ただ、旦那がもし王族であったなら妻となるか専属の女中として陰ながら結ばれる事を選んだでしょう。エイミア様は彼でなければならないとお思いになられたから悩んでいるのでしょう?」

「・・・あなたには嘘は吐けませんね」

「どんな結果になろうとも自分の気持ちを大切になさってください。私は何があっても奥様とエイミア様の味方ですから」

ある程度着終わり、二人が部屋から出ていくと母が生まれた時から仕えてくれている女中のミセラさんが髪や化粧を綺麗に整えてくれた。少し分かりやすい質問をしてしまったのかもしれない。