助けたい。気持ちが遅かった。隠れているのがいけなかった。次男を責める訳じゃないけれど、待つべきじゃなかった。
大広間の扉を開けた瞬間、クロエラの胸を突き刺した。力なく目の前で倒れていくクロエラと悲鳴に近い声で泣き叫ぶ女中、私が来た事に驚きながらも守ろうと立ち上がろうとしてくれた兵士。一人、全員の目の前で首元に剣を突き付けられている長男。
全て、私が隠れたばかりに起きた悲劇なの?
「もう一人はどうした。おい、聞いているのか」
「私に触らないで!」
「っ!?」
どんな表情をしていたのでしょうね。地上最悪な悪魔を目の前にしたような恐怖に怯えた顔なんてしちゃって。そんなに怖い目付きで睨んでしまったかしら。でも、仕方無いわよね。命を奪うってそういう事だもの。
大広間の扉を開けた瞬間、クロエラの胸を突き刺した。力なく目の前で倒れていくクロエラと悲鳴に近い声で泣き叫ぶ女中、私が来た事に驚きながらも守ろうと立ち上がろうとしてくれた兵士。一人、全員の目の前で首元に剣を突き付けられている長男。
全て、私が隠れたばかりに起きた悲劇なの?
「もう一人はどうした。おい、聞いているのか」
「私に触らないで!」
「っ!?」
どんな表情をしていたのでしょうね。地上最悪な悪魔を目の前にしたような恐怖に怯えた顔なんてしちゃって。そんなに怖い目付きで睨んでしまったかしら。でも、仕方無いわよね。命を奪うってそういう事だもの。



