その日の夜、就寝の時間だとエイミア様の自室に行くと切ない表情のまま星空を眺めていた。今まで見た事のないその表情がとても気になって目が離せなくなった。

「ねぇ、クロエラ。あの写真、どう思った?」

「微笑ましい家族写真だと感じました」

「うん・・・、私も。手紙もいつ立ったとか喋ったとかばかりだった。母の体内にいた時の事まで書いてあった」

何だろう。何か引っ掛かっているのか。そっか、知らないんだ。彼女の産まれた町は仕事を得るのも一苦労だけど子供第一だから共働きは認められていない。その上、給料も安いから家族を養うためには一人が働くだけでは無理。だからその町を離れていく人も多い。
彼女の家庭も町民を減らさないために決められた方法を活用した一つだった。多夫一婦制度だ。
昔は戦争を生き残った者たちが男性の方が多く、便利な物など何もない所で生活しなければいけなかったから女性の負担を軽くしようと考えられた制度だった。