一頻り騒いだ後、彼女は野菜やここまで来るのにかかった費用の代金を払った。そして、その野菜を調理させてこの街の人々や貧困の町村に無料で振る舞ってほしいと伝えて帰らせた。
もちろん、その中には兄二人の野菜も全て含まれている。きっと彼女は最初からこう思っていたんだ。どうせ捨てるのであれば元々捨てるはずだった物をもらった方が良いと。だからあんな行動を。

「やっぱり、エイミア様は凄いです。他の人の事を第一にお考えになられて。でも、王族で何不自由ない生活をしているから出来る事。所詮は王族」

「口を慎みなさい」

「わっ、私はただ!」

夜間の兵士と引き継ぎをした後、女中の一人がそんな事を言ってきた。所詮は王族。恵まれているから何でも出来る、見下して手助けしている事実に自惚れていると言いたいのだろう。
エイミア様の事を何も知らないくせに、よくそんな事が言えたものだ。