湊人さんと佐奈さんから紹介してもらったプランナーさんがびっくりするほど優秀だったこともあって、式の準備は順調に進んでいた。

 一番難航すると思われた招待客のリストアップのようやく終わり、招待状も完成した。

 お世話になったおじさまや綾さん、庶務係のみんなには、どうしても手渡ししたいと思っていた。

 あらかじめ綾さんにお願いして、おじさまが社内にいるときの隙間時間に、社長室に呼んでもらう。拓海と結婚して、この階に来ることもめっきり減ってしまった。


「いらっしゃい、夏美ちゃん」

「綾さんお疲れさまです」

 綾さんと会うのも、しばらくぶりだ。

 拓海と気持ちを確かめあった後、綾さんにはすぐに連絡を入れた。週明けの月曜日から、『ちゃんと報告しなさい。ただし今日はまだ旦那は抜き!』と飲みに誘われた。

 佐奈さんのことは、私の思い込みだったこと。一方の拓海は、私と聖司さんとの仲を疑っていたことなんかを話すと、「なにそれ、二人とも似た者同士だったってことね。お似合いじゃない」と笑われた。丸く収まって、安心したとも。