「あ!」
「なにか思いついた?」
「うん、これは絶対に譲れない。あのね……」
咄嗟に思いついたアイデアを拓海に説明する。拓海もいいアイデアだと言って褒めてくれた。
「それじゃあ俺たちの希望を説明して、プランナーさんにスケジュール組んでもらおう。打ち合わせの前に、一度コンタクト取ってみるよ」
「えっ、拓海が?」
こういうのって、女性が主導でやるものだと思ってた。
「だって二人の式なんだぜ、当然だろ?」
拓海と結婚してよかったと思うのは、こういう時だ。どんなことも人任せにせず、ちゃんと自分でも背負ってくれる。
拓海といると、ちゃんと「ふたりでやっていこう」と思っていることが伝わってくる。
「私、拓海のそういうとこやっぱり好きだなぁ」
「……頼むから、そんな煽るような事こんなところで言うなよ……」
何気なく言った一言に、拓海がおかしいほど狼狽している。
いつまでもくすくす笑っていたら、「家に帰ったら覚えておけよ」と半分本気で脅されてしまった。


