「どうしたの?」


「あぁ......紗奈ちゃん」



今の私には、喋る気力すらない。

このまま冬休みが無かったら、紗奈ちゃんとも遊べないんだ......。


考えただけでも悲しくなってくる。



「紗奈ちゃん......うぅ......」


「え?なによ、先輩と何かあったわけ?」



紗奈ちゃんは突然涙ぐみ始めた私に、ギョッとしてそう言った。



「先輩とは何も無いんだけど......」



このままじゃ、その先輩とも遊べないんだよーー。


諦めて補習受けるしかない......、でもそんなの、絶対に嫌だ。

ノート眺めてたら内容が頭に入ってくればいいのに。


そんな夢みたいなこと、ありえないとは分かっているけれど、それにさえ縋りたくなってしまう。


だれか、教えてくれる人ーー居ないかな?

ん?紗奈ちゃんーー?


たしか、頭良かった気が......?


私は、俯いていた頭をガバッと上げた。



「紗奈ちゃん!」


「うわっ、なに」