それが、何人も罪のない人間を殺した人殺しであれば……自業自得でしょと……。……なんて簡単なことでもないんだけどね。分散して移すこともできるようだから、命にかかわることを、分散して人殺しに飛ばそうと思う。やっぱり、誰かを助けるために誰かの命を奪うなんてとてもできない。日本人だもの。
突然骨折して痛い思いをするくらいなら、殺された人のことを思えば、大したことではないでしょうと……それくらいは、まぁ、「ざまぁ」と言わせてくださいよ。
◆
「ありがとう、マチルダさん」
ヨリトにげっぷをさせる。
「こちらこそありがとう」
「また後で」
洗ったおむつは、ヨリトの分も干させてもらった。もう、どれが誰のおむつなのかよくわからない状態だ。だけれど、この世界の人はあまり気にしないようだ。お古もおさがりも当たり前で。使い古した布からもおむつを作るし、もともと腹帯にする布すら白とは限らないので、真っ白で汚れていないおむつが良いという感覚も小さいのかもしれない。
「あ、見つけた!」
外に出ると、3件先の家の影にキラキラな人間がいた。
隠れているつもりなのかもしれないが、女性たちのため息の視線の先を追えばすぐに見つかる。
目が合うと、慌てて背を向けて走り出す。
また、転ぶぞと思って見ていたら、ごつんと、ぶら下がっていた看板に頭をぶつけて、しりもちをついた。
……あーあ。
「大丈夫、白ちゃん」
近づいて声をかける。
「え?なんで、ばれて……」
くふっ。
ふふふ。
「ビーンゴ。そこで白ちゃんって何のことかってとぼければいいのに。返事をしちゃったんだから、今更否定はできないよね。白ちゃん。私の見張り?」
白ちゃんがすくっと立ち上がって、ぶんぶんと大きく頭を横に振った。
「見張りじゃないですっ、えっと、心配で、その……知らない世界に……僕たちの勝手で連れてきてしまったのに……」
しゅんっと白ちゃんが頭を垂れた。
ああ、白ちゃんはいい人だなぁ。そうか。私を心配して周りをちょろちょろしてたのか。だよねぇ。見張り役にしては、目立ってるし、隠れるのへたくそだし、よく転ぶし……。
「あー、いー」
ヨリトがご機嫌よく舐めまくってべたべたになった指を白ちゃんに伸ばした。
べちょ。
白ちゃんのほっぺにヨリトがよだれ攻撃をかました。
突然骨折して痛い思いをするくらいなら、殺された人のことを思えば、大したことではないでしょうと……それくらいは、まぁ、「ざまぁ」と言わせてくださいよ。
◆
「ありがとう、マチルダさん」
ヨリトにげっぷをさせる。
「こちらこそありがとう」
「また後で」
洗ったおむつは、ヨリトの分も干させてもらった。もう、どれが誰のおむつなのかよくわからない状態だ。だけれど、この世界の人はあまり気にしないようだ。お古もおさがりも当たり前で。使い古した布からもおむつを作るし、もともと腹帯にする布すら白とは限らないので、真っ白で汚れていないおむつが良いという感覚も小さいのかもしれない。
「あ、見つけた!」
外に出ると、3件先の家の影にキラキラな人間がいた。
隠れているつもりなのかもしれないが、女性たちのため息の視線の先を追えばすぐに見つかる。
目が合うと、慌てて背を向けて走り出す。
また、転ぶぞと思って見ていたら、ごつんと、ぶら下がっていた看板に頭をぶつけて、しりもちをついた。
……あーあ。
「大丈夫、白ちゃん」
近づいて声をかける。
「え?なんで、ばれて……」
くふっ。
ふふふ。
「ビーンゴ。そこで白ちゃんって何のことかってとぼければいいのに。返事をしちゃったんだから、今更否定はできないよね。白ちゃん。私の見張り?」
白ちゃんがすくっと立ち上がって、ぶんぶんと大きく頭を横に振った。
「見張りじゃないですっ、えっと、心配で、その……知らない世界に……僕たちの勝手で連れてきてしまったのに……」
しゅんっと白ちゃんが頭を垂れた。
ああ、白ちゃんはいい人だなぁ。そうか。私を心配して周りをちょろちょろしてたのか。だよねぇ。見張り役にしては、目立ってるし、隠れるのへたくそだし、よく転ぶし……。
「あー、いー」
ヨリトがご機嫌よく舐めまくってべたべたになった指を白ちゃんに伸ばした。
べちょ。
白ちゃんのほっぺにヨリトがよだれ攻撃をかました。


