ヨリトのおむつマーサちゃんのおむつを持って洗濯場へ。朝は少し水が冷たいからか、まだ朝食の準備をしているからか、人の姿は少ない。
「おはよう、おや、オムツの洗濯かい?」
「おはようございます」
40過ぎのおばさんだ。
「こんな早い時間に洗濯に来るのはオムツ洗いか、ゲロ吐き馬鹿亭主の嫁くらいなもんだもんねぇ。がはは」
なるほど。やはり普通はあんまり朝早くは洗濯に来ないんだ。
「あーったく、懲りもせず飲み過ぎて吐くんだよ、うちの馬鹿亭主。ったく、洗う方の身にもなってほしいよ。かといって、そのままにしておくと匂うし、汚れが落ちにくくなるし……」
あ、そういえば……。
「これ、使ってみますか?」
洗濯用にと少し灰をもらってきたのだ。灰を溶かした水で洗濯をすると、不思議とよく落ちる。江戸時代の洗剤。
「……」
おばさんが私の手元を見る。
「い、いや、遠慮しとくよ」
そりゃそうか。突然灰を見せられても困るよねぇ……。
軽く洗って色が残っているうんちのおむつを、灰を溶かした水で洗う。
「水が黒いけど、余計よごれるんじゃないかい?」
と、おばさんが心配そうに声をかけてくれる。
洗い終わって汚れの落ちたオムツを見て、おばさんが目を丸くする。
「私の故郷では、洗濯のときにみんな使ってたんですよ」
江戸時代ですが。嘘は言っていない。
「へー、そうかい。故郷って、日本街かい?あそこはどんな街なんだい?」
ああ、髪の色を見て日本人街出身だと思われたんだ。どうしよう。知らないんだよね。今思い浮かんだのは時代劇の江戸の町。
「そんなに変わりませんよ、普通です。あ、でも孤児院は街の中にありましたよ。お寺が孤児を引き取って」
確か江戸時代は孤児は寺が引き取っていたと聞いたことがある。寺と教会……檀家さんと信者の寄付……なんか似てるなと思った記憶が。あ、寺って言っちゃったけど、日本街にあるかもわからないし。失敗したかな。
「ふぅーん、そうなのかい。街中じゃぁ、不便じゃないのかねぇ」
え?街中にあると不便?
「子供たちばかりじゃ、水くみも一仕事だろう?川の近くじゃないと大変だと思うけれど、井戸が近くにあったのかい?」
川の近くなら水汲みが楽?……なるほど。そうか。別に孤児院を冷遇して壁の外に建てているわけじゃないのか……。
◆
ほっと胸をなでおろす。
「おはよう、おや、オムツの洗濯かい?」
「おはようございます」
40過ぎのおばさんだ。
「こんな早い時間に洗濯に来るのはオムツ洗いか、ゲロ吐き馬鹿亭主の嫁くらいなもんだもんねぇ。がはは」
なるほど。やはり普通はあんまり朝早くは洗濯に来ないんだ。
「あーったく、懲りもせず飲み過ぎて吐くんだよ、うちの馬鹿亭主。ったく、洗う方の身にもなってほしいよ。かといって、そのままにしておくと匂うし、汚れが落ちにくくなるし……」
あ、そういえば……。
「これ、使ってみますか?」
洗濯用にと少し灰をもらってきたのだ。灰を溶かした水で洗濯をすると、不思議とよく落ちる。江戸時代の洗剤。
「……」
おばさんが私の手元を見る。
「い、いや、遠慮しとくよ」
そりゃそうか。突然灰を見せられても困るよねぇ……。
軽く洗って色が残っているうんちのおむつを、灰を溶かした水で洗う。
「水が黒いけど、余計よごれるんじゃないかい?」
と、おばさんが心配そうに声をかけてくれる。
洗い終わって汚れの落ちたオムツを見て、おばさんが目を丸くする。
「私の故郷では、洗濯のときにみんな使ってたんですよ」
江戸時代ですが。嘘は言っていない。
「へー、そうかい。故郷って、日本街かい?あそこはどんな街なんだい?」
ああ、髪の色を見て日本人街出身だと思われたんだ。どうしよう。知らないんだよね。今思い浮かんだのは時代劇の江戸の町。
「そんなに変わりませんよ、普通です。あ、でも孤児院は街の中にありましたよ。お寺が孤児を引き取って」
確か江戸時代は孤児は寺が引き取っていたと聞いたことがある。寺と教会……檀家さんと信者の寄付……なんか似てるなと思った記憶が。あ、寺って言っちゃったけど、日本街にあるかもわからないし。失敗したかな。
「ふぅーん、そうなのかい。街中じゃぁ、不便じゃないのかねぇ」
え?街中にあると不便?
「子供たちばかりじゃ、水くみも一仕事だろう?川の近くじゃないと大変だと思うけれど、井戸が近くにあったのかい?」
川の近くなら水汲みが楽?……なるほど。そうか。別に孤児院を冷遇して壁の外に建てているわけじゃないのか……。
◆
ほっと胸をなでおろす。


