と、笑ってあげる。すると、アンナさんは私の唐突な行動にびっくりして涙をひっこめた。
「当たり前じゃない。親は大切だけど、喧嘩するもの。大好きな妹にだって、ときどきいなければいいのにとか思うことあったよ?家族ってそんなものでしょう。だけど、結局やっぱり大好きで大切で……あんなこと言ってごめんねって、すごく反省するの」
アンナさんが私の顔を見てる。
「ほんの一瞬でも、いなければいいと思ったことにこれほど苦しんで、涙が止まらないくらい辛い思いしてるのに、母親失格なんてあるわけがないよ。普通、普通。なんで泣き止んでくれないのよっ!も、普通。あ、そうやってイライラした時って、それが伝わって余計に泣き止んでくれないし。落ち着いた気持でいる私が抱っこするとすっと泣き止んだりするの。そうすると、妹は「私が抱っこしてもなきやまないのにお姉ちゃんが抱っこすると泣き止むなんて!もうお姉ちゃんにあげる!」とかパニックになって叫んだこともあったかな?」
◆
私が突然こんなことになっちゃって、妹は……大丈夫かな。日本に帰れないなら、いっそ日本に私がいたという事実も消滅させてほしい。妹の記憶から私は消してほしい。突然いなくなってしまった姉の記憶なんて、きっと迷惑なだけ。
忘れられたくないなんてこれっぽっちも思わない。忘れてほしい。
私は妹のことは絶対に忘れない。だから、大丈夫……。
ほろりと、思わず涙がこぼれる。
「ヨリコさん?あの、どうしたの?」
「あ、うん、何でもないの、えっと、この子……ヨリト……実は捨て子なの。今日、リュートさんが拾ったんだけれど……孤児院へ連れて行かないといけなくて……」
アンナさんがちょっと寂しそうな顔をする。
「そうだったんですね。ヨリト君と別れるのが辛くて……」
泣いているのはそのせいだと思ったようだ。……確かに、ヨリトと離れるのは辛いはずなんだけど……。そういえば、ヨリトと離れるということで泣いたことはないなぁ。……ううん、違うな。離れるということに現実味がない。また夜中に起きたらどうしようとか、洗濯しないといけないおむつがたまったなとか、お尻かぶれないように洗ってあげるのはどうすればいいのかなとか、なんか、目の前のことを考えてこなしていくのが必死で。
「孤児院は、どこにあるんですか?私もリュートさんも王都のことを知らなくて……」
「当たり前じゃない。親は大切だけど、喧嘩するもの。大好きな妹にだって、ときどきいなければいいのにとか思うことあったよ?家族ってそんなものでしょう。だけど、結局やっぱり大好きで大切で……あんなこと言ってごめんねって、すごく反省するの」
アンナさんが私の顔を見てる。
「ほんの一瞬でも、いなければいいと思ったことにこれほど苦しんで、涙が止まらないくらい辛い思いしてるのに、母親失格なんてあるわけがないよ。普通、普通。なんで泣き止んでくれないのよっ!も、普通。あ、そうやってイライラした時って、それが伝わって余計に泣き止んでくれないし。落ち着いた気持でいる私が抱っこするとすっと泣き止んだりするの。そうすると、妹は「私が抱っこしてもなきやまないのにお姉ちゃんが抱っこすると泣き止むなんて!もうお姉ちゃんにあげる!」とかパニックになって叫んだこともあったかな?」
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私が突然こんなことになっちゃって、妹は……大丈夫かな。日本に帰れないなら、いっそ日本に私がいたという事実も消滅させてほしい。妹の記憶から私は消してほしい。突然いなくなってしまった姉の記憶なんて、きっと迷惑なだけ。
忘れられたくないなんてこれっぽっちも思わない。忘れてほしい。
私は妹のことは絶対に忘れない。だから、大丈夫……。
ほろりと、思わず涙がこぼれる。
「ヨリコさん?あの、どうしたの?」
「あ、うん、何でもないの、えっと、この子……ヨリト……実は捨て子なの。今日、リュートさんが拾ったんだけれど……孤児院へ連れて行かないといけなくて……」
アンナさんがちょっと寂しそうな顔をする。
「そうだったんですね。ヨリト君と別れるのが辛くて……」
泣いているのはそのせいだと思ったようだ。……確かに、ヨリトと離れるのは辛いはずなんだけど……。そういえば、ヨリトと離れるということで泣いたことはないなぁ。……ううん、違うな。離れるということに現実味がない。また夜中に起きたらどうしようとか、洗濯しないといけないおむつがたまったなとか、お尻かぶれないように洗ってあげるのはどうすればいいのかなとか、なんか、目の前のことを考えてこなしていくのが必死で。
「孤児院は、どこにあるんですか?私もリュートさんも王都のことを知らなくて……」


