……まぁ、王都だから特別なのかもしれないけど。王都を出てほかの町の様子もちゃんと見たほうがいいよね。あとは別の国はどうなってるのか。
「それがなぁ、どうも……」
おじさんの一人が声を潜めた。
「聖女の召喚、失敗したらしい」
小さな声だったけれど、隣のテーブルの私の耳には届いた。
コツンッ。
「あ、ああ、すまん」
隣の会話に気を取られていた私は、何かがぶつかるような音で意識を戻された。
「スプーンを落としてしまった」
リュートさんが動揺して慌てて床に落ちたスプーンを拾い上げる。
「あ、そうだ、スープ、ヨリトも飲めるんじゃないか?ヨリトのスプーンももらってくるよ」
と、席を立ちリュートさんが調理場へと足を運ぶ。
後ろ姿は元気がないというか覇気がないように見えた。
スプーンを落としたのがそんなにショックだった?っていうことはないよね。ということは……スープに嫌いな野菜でも入っていびっくりしてスプーンを落とした?なんてことはないか。
「なぁ、おい、それ、本当か?」
どうやら、声を潜めたけれどしっかり聞こえていたのは私だけじゃなかったようで、別の2人組の客がおじさんに尋ねている。
「ああ。嫁の従妹が、城に野菜を届けているんだが、野菜を受け取る料理人見習いの男が親しくしている侍女に聞いたと教えてくれたらしい」
それ、いくつ間に人を介在しているんだろうか……。友達の友達が友達から聞いた話レベルの信ぴょう性がない話じゃない?
まぁ、実際はビンゴで。
聖女召喚は失敗。召喚したのは「反逆の聖女」だったわけで。回復魔法も使えないわけで。
「侍女から聞いた話なら間違いないな、それで」
あっさり信じちゃうのか。
◆
「それが、なんかこう、青い顔をした宰相や将軍たちが、こぞって今見たことは誰にもしゃべるなと言って回っていたとか……。白魔導士が慌ただしく城の中を駆けずり回っていたとか。黒魔導士も王の間に召集をかけられたとか……。それから魔術に詳しい人間に何かの調査依頼が勅命されたとか……。各地の領主にも何やら密書を届ける準備がなされているとか」
侍女の情報網、すごいなぁ。
そうか。日本に帰るための方法の調査は早速初めてくれていると思っていいのかな。領主への密書って何だろう。
聖女に逆らうな?ちゃんと領地を治めよ?それとも、召還の方法を探せ?
「それがなぁ、どうも……」
おじさんの一人が声を潜めた。
「聖女の召喚、失敗したらしい」
小さな声だったけれど、隣のテーブルの私の耳には届いた。
コツンッ。
「あ、ああ、すまん」
隣の会話に気を取られていた私は、何かがぶつかるような音で意識を戻された。
「スプーンを落としてしまった」
リュートさんが動揺して慌てて床に落ちたスプーンを拾い上げる。
「あ、そうだ、スープ、ヨリトも飲めるんじゃないか?ヨリトのスプーンももらってくるよ」
と、席を立ちリュートさんが調理場へと足を運ぶ。
後ろ姿は元気がないというか覇気がないように見えた。
スプーンを落としたのがそんなにショックだった?っていうことはないよね。ということは……スープに嫌いな野菜でも入っていびっくりしてスプーンを落とした?なんてことはないか。
「なぁ、おい、それ、本当か?」
どうやら、声を潜めたけれどしっかり聞こえていたのは私だけじゃなかったようで、別の2人組の客がおじさんに尋ねている。
「ああ。嫁の従妹が、城に野菜を届けているんだが、野菜を受け取る料理人見習いの男が親しくしている侍女に聞いたと教えてくれたらしい」
それ、いくつ間に人を介在しているんだろうか……。友達の友達が友達から聞いた話レベルの信ぴょう性がない話じゃない?
まぁ、実際はビンゴで。
聖女召喚は失敗。召喚したのは「反逆の聖女」だったわけで。回復魔法も使えないわけで。
「侍女から聞いた話なら間違いないな、それで」
あっさり信じちゃうのか。
◆
「それが、なんかこう、青い顔をした宰相や将軍たちが、こぞって今見たことは誰にもしゃべるなと言って回っていたとか……。白魔導士が慌ただしく城の中を駆けずり回っていたとか。黒魔導士も王の間に召集をかけられたとか……。それから魔術に詳しい人間に何かの調査依頼が勅命されたとか……。各地の領主にも何やら密書を届ける準備がなされているとか」
侍女の情報網、すごいなぁ。
そうか。日本に帰るための方法の調査は早速初めてくれていると思っていいのかな。領主への密書って何だろう。
聖女に逆らうな?ちゃんと領地を治めよ?それとも、召還の方法を探せ?


