「ふふふ、お二人は似た者夫婦ですねぇ。人のために何か動かないと気が済まないようだ。いいんですよ、うちは腐っても宿です。ゆっくり休んでください。もしお二方が休めないようであれば、このまま宿をやめるしかなくなる」
ふ、夫婦?
「赤ちゃんもずっと背負われたままじゃ窮屈ですよ」
あっ。
ご主人に言われてハッとなる。そうだよね。ヨリトだって、構ってもらいたいよね……。
「ありがとうございます」
2階には部屋が4つ並んでいる。唯一使える部屋は一番奥ということで、部屋に入る。
……狭い。
いや、狭くはないんだけど、シングルルームといった広さ。ベッドはシングルベッドが一つ。ベッドと同じ程度の空間があとはあるだけ。
えーっと、さすがにここに3人は無理かな……。
「俺は、別のところへ行くよっ。ヨリトがいなければ、泊めてもらえると思う、いや、野宿だってかまわないから」
背中を見せたリュートさんの服を引っ張る。
「待って!」
「頼子?」
「ヨリト……孤児院に連れて行くんだよね?」
リュートさんがぐっと唇を引き締めた。
「あ、ああ。でも、もし頼子が」
私が?
私がヨリトを手放したくなくて、私がヨリトを育てたくて、私が孤児院に預けたくないってもし言えば……どうだっていうの?
3年以内に日本に帰るつもりだ。絶対一方通行なんてはずはない。帰らせる魔法もあるはずなんだ。だから……。
3年……日本だと保育園や幼稚園へ通い始める年齢になったヨリトを……かわいい盛りの子供を置いて日本に帰れというの?帰ったら、またヨリトは私に捨てられることになるんだよ……。
◆
「リュートさんが拾ったんですよね?私の気持ちは関係ないでしょう?」
少し冷たい声になる。
「俺は……」
ぐっとリュートさんがこぶしを握り締めた。
「すまない。俺は、逃げたかっただけなんだと思う……。頼子と一緒にヨリトを育てるということは気持ちの良い逃避だ……」
逃避?
「あ、まずいっ!」
ヨリトのお尻が温かくなった。
慌てておんぶ紐を外すと、後ろに回ったリュートさんがヨリトを抱き上げてくれた。
「セーフ、今度は背中は無事っ!」
「アウトでも、服はもう乾いていたから着替えれば大丈夫だよ」
リュートさんが、マチルダさんのとこから回収してきた荷物をベッドの上に置いた。
ふ、夫婦?
「赤ちゃんもずっと背負われたままじゃ窮屈ですよ」
あっ。
ご主人に言われてハッとなる。そうだよね。ヨリトだって、構ってもらいたいよね……。
「ありがとうございます」
2階には部屋が4つ並んでいる。唯一使える部屋は一番奥ということで、部屋に入る。
……狭い。
いや、狭くはないんだけど、シングルルームといった広さ。ベッドはシングルベッドが一つ。ベッドと同じ程度の空間があとはあるだけ。
えーっと、さすがにここに3人は無理かな……。
「俺は、別のところへ行くよっ。ヨリトがいなければ、泊めてもらえると思う、いや、野宿だってかまわないから」
背中を見せたリュートさんの服を引っ張る。
「待って!」
「頼子?」
「ヨリト……孤児院に連れて行くんだよね?」
リュートさんがぐっと唇を引き締めた。
「あ、ああ。でも、もし頼子が」
私が?
私がヨリトを手放したくなくて、私がヨリトを育てたくて、私が孤児院に預けたくないってもし言えば……どうだっていうの?
3年以内に日本に帰るつもりだ。絶対一方通行なんてはずはない。帰らせる魔法もあるはずなんだ。だから……。
3年……日本だと保育園や幼稚園へ通い始める年齢になったヨリトを……かわいい盛りの子供を置いて日本に帰れというの?帰ったら、またヨリトは私に捨てられることになるんだよ……。
◆
「リュートさんが拾ったんですよね?私の気持ちは関係ないでしょう?」
少し冷たい声になる。
「俺は……」
ぐっとリュートさんがこぶしを握り締めた。
「すまない。俺は、逃げたかっただけなんだと思う……。頼子と一緒にヨリトを育てるということは気持ちの良い逃避だ……」
逃避?
「あ、まずいっ!」
ヨリトのお尻が温かくなった。
慌てておんぶ紐を外すと、後ろに回ったリュートさんがヨリトを抱き上げてくれた。
「セーフ、今度は背中は無事っ!」
「アウトでも、服はもう乾いていたから着替えれば大丈夫だよ」
リュートさんが、マチルダさんのとこから回収してきた荷物をベッドの上に置いた。


