反逆の聖女は癒さない~赤ちゃん育てるのに忙しいので~

「ごめんなさい。すっかり勘違いしてしまったわ。赤ちゃんも急に面倒を見ることになったって言ってたわよね?私はマチルダ。何でも聞いて。って、わからないこともあるけれど、おむつは手慣れたものよ?」
 マチルダさんがおむつを取り替える様子をまず見せてもらうことにする。
 おむつカバーに当たるものは、マジックテープやホックなどはなく、紐で結んで止めてあった。そうか。紐をつけるんだ。折り込んだだけだと動いたらとれちゃうもんね。
 おしっこで濡れているおむつは、水瓶の近くに置いてあった水を張ったたらいの中に入れた。
 中には使ったおむつが入っている。
「ああ、最後の一枚だわ。洗濯できなかったから……。何枚か急いで洗って干しておかないと」
 マチルダさんがため息をつくのと、リュートが瓶を担いで家に入ってくるのはほぼ同時だった。
「はい。ほかにすることがあれば手伝うよ」
 じゃぁ、おむつの洗濯を……と思ったけれど……。
 ふと頭をよぎった光景は、時代劇。江戸の街で長屋のおかみさんたちが井戸の周りで洗濯しながら井戸端会議をしているシーン。
 この世界も洗濯といえばそんな感じだとすると……そこにリュートに行ってもらうのはちょっとだけ心苦しい。
 男女平等だとは思う。男の人だからと言って何かを優遇されたり免除されたりというのはおかしいし、女の仕事とか女がするべきとも思わないけど。ただ、リュートさんだけじゃなくて、その場にいる人たちみんなの居心地が悪くなってしまうんじゃないかと思うと……。それから、マチルダさんの赤ちゃんのおむつを洗わせたみたいな変な噂がマチルダさんに立ってしまうのも困るだろうし……。てなわけで、さすがにやめておきましょう。

「じゃぁ、えーっと、おむつを替えるのを私も教えてもらうので、一緒に教えてもらいましょうか」
 これは大事だ。特に、おおきい方の処理ができるかできないかでイクメン度は大きく違ってくる。
 てなわけで、今回はマチルダさんがおむつを替えてくれるのを見学するスタイルになりました。
 カバーを外し、おむつをお尻を上げて外す……ところまではまぁ、紙おむつでも同じ。そっから。
 おむつの汚れていない部分を使って、お尻を拭く。それから、パッと見できれいになったかな?という段階で、小さな布を濡らして拭く。
 なるほど。おしりふきがない時代はこうしてたのね。