反逆の聖女は癒さない~赤ちゃん育てるのに忙しいので~

 そして、洗濯は、掃除の時間に組み込むことにした。いつもは掃除の練習ということで、特に汚れてもいない床や壁を全員で掃除していたのだ。
 掃除の時間は減らしても問題ないと判断。
 オムツ洗いに必要なタライやバケツや桶を買い込む。
 普段の洗濯も、川の水を使ってしていたため、特に洗濯の方法を新しく教える必要はなかったんだけれど。
「試しに使ってみましょう」
 荷車に乗せて運んだ洗濯機もどき。
 実際に汚れが落ちるかまだ実験していない。
 分かりやすいように目立つ汚れのついた洗濯ものと、水と灰を入れてハンドルを回す。ぐるぐる。力は多少いるけれど、洗濯物と水を入れ過ぎなければ大丈夫そうだ。だいたい、家庭用の洗濯機の洗浄時間の設定が10~15分くらいなので、それを目安にぐるぐる回し続ける。
 すすぎ作業は、手作業ですることにする。力を入れげごしごししなくてもいいからだ。
「落ちてる!すごい!」
 洗濯係の子供たちのはしゃぎ声が聞こえた。
 洗濯物を見ると、確かに汚れは落ちていた。
「成功ね。じゃぁ、次はこれ。洗濯ものの端をこうして、ハンドルを回すと水が絞れるから。指を挟むといけないから、必ず一人で行って。二人でするとタイミングがずれたりとかで指を挟みやすくなるからね?」
 と、注意してローラー式脱水機を使って見せる。
 洗濯物を入れてぐるぐる。水が絞られた洗濯ものが入れた方と反対側から出てきて、たらいに落ちる。
「すごぉーい!」
「あとは、干してね。できそう?」
「うん、できそう!」
 孤児院に顔を出すようになって3日後には、子供たちと打ち解けることができた。

 院長先生の代理という私と白ちゃんをはじめは警戒していたものの、いつもと違うことが起きるというワクワク感で子供たちの目は次第にきらめきだした。それからヨリトの力が大きい。ヨリトの面倒を見てもらうことで交流ができたのだ。
「ねぇ、なんでヨリトちゃんはこんなに太っているの?」
 ヨリトを見て5歳くらいの子が首をかしげることがあった。
 私も白ちゃんも、答えることができなかった。
 ヨリトは決して太っていない。あなたたちが痩せすぎているのだと……真実を伝える勇気はなかった。
 10日目には、オムツレンタル屋をスタートさせることができた。
 スタート時から、20名もの利用者がいた。