「どうしたの?」 「っ、何でもないよ」 「ふーん。何でもない…か…」 ブレーカーを確認しに行くっていったのにリビングから動こうとしない叶斗。 その代わりに無表情のまま私の目を見つめている。 っ、どうすればいいの…? なにか答えを求められてる…? 叶斗の目から視線を外せないでいると無表情だった顔が緩んだ。 「おいで心桜」 「っ、かなと…?」 その口調はとても優しくいつものイジワル口調ではない。 咄嗟に離した手を今度は私からじゃなく叶斗につかまれる。