家の近くまで来て



ポツリ。萌が口を開く。



「考えてたんだけど…。



もう大丈夫かなって」



「ん?」何が?



問いかけるアラタに




「送ってもらわなくても



大丈夫かなって」



萌が言った。



「週に2回も、ずっと



送ってもらって…



すごい、甘えてたよね。」




「え?いや。


ついでだし」



萌?


急に…何で?



「でも、わたし送った後に


奏ちゃんたちと遊んだりしてるんだよね?


ほんとは、戻らないといけなかったり



時間かかってたでしょ?



なのに、わたしずっと



甘えてて」 




「萌?」



何で急にそんなこと、言い出すの?




「もう大丈夫だから。



今まで、ほんとありがとう」



「アラタくんが、送ってくれて



ほんと、



嬉しかった。



ありがとう」



元気は無さげだけど、



少し笑みさえ浮かべて



もう完結したように伝えてくる萌。



「また、みんなで遊ぼうね」



何か



言いたいのに、



アラタは何も口に出せなかった。



だって、



萌の中で



もう決まってたから。