ドキ。



え?



S女の制服。



白シャツにエンジのタイ。



チェックのスカート。



ロングのクルンクルンの栗色の髪。



まつ毛からネイルまでバッチリかわいくて



同い年かな?



私なんかより大人っぽくて



キラキラしてる。



アラタくんの横に立つと



…すごくお似合い。



雰囲気が?



すごく、合ってる。



別の子がアラタくんの腕に抱きついて



当然のように腕を組んだ。



ロール編みされたツインのお団子ヘアが



似合っていて、メチャクチャ可愛くて



耳元で大きなリングのピアスが揺れている。



パチパチって。瞬きするたび。



閃くバッチリのまつ毛が…



ん?その下のひとみが



わたしを凝視してる…。



ん?私というか、私の胸?



そして、



「爆乳。ほんもの?」



萌にそう言った。



「おい?リカ?



お前初対面だろ」



止めようと声をかけるアラタくん。



わっ。みんな萌に群がってきた。
 


「わー。ほんと。



ずるい。アラタ。



いつもこんなのもんでんの?」

 

「コラコラ。ずるいて。



女の子が揉んでるとか



言うんじゃありません。」



慌ててるアラタくん。



「揉んでねえのかよ。ダセエな。アラタ



こんな乳が目の前にあるのに



もんどけよ」



リカがバカにしたように言う。



「おまえなぁーっ」



アラタの声は無視され




「なんか、うちの彼氏が



可哀想になってきた笑」



「たっくんもめっちゃうらやまがるわー



ねえねえ。メグ、揉んでいい?」



メグちゃん?が自分を指して言う。



「メグっ。何言ってんだよ!」



アラタくんが言うけど



「メグおんななんだから、ワンチャン



いけそうじゃん。」



「何よ、アラタ。



お前の乳じゃないんだろ?」



「I D教えて」



矢継ぎ早の言葉と、のびてくる腕。



「コラ。リカ。何でだよ」



萌と彼女たちの間に入るように



アラタくんが立った。



そんなアラタくんには



おかまいなしで



「仲良くなったら、



揉ませてくれるかもしんないじゃん。」



リカが言うと、



「もーっっ。」って、



アラタくんが大声を出した。



「お前ら、去ね!」



アラタくんが言っても



「何よアラター



レナに言いつけ…」  



「揉んでねぇアラタに聞いてね…」



ポンポン交わされる会話に



萌はついていけないまま。



その前で



ガシっ。



アラタくんが2人の肩を掴むように



組んで連れ出す。



向こうに連れて行って、何か



コソコソ話してる。



近い距離感…。



「わーかったわよ。アラタ



次おごりね」



リカちゃんが言う。



「どうせ金曜レッド行くんでしょ?」



メグちゃんの言葉にも



アラタは、はいはい。はいはい。って



言いながら



3人の肩を押し出すように向こうへむけた。



「約束ねー。


じゃあねー。何ちゃん?



まぁ、いいや。次会ったら揉ませてねー」



「バイバーイ」



はは…




嵐のように去っていった。



振り返ったアラタくんが言う。



「萌!ごめんね?



アイツら同中で



マジいっつもあんな感じで、



遠慮ないし、オトコみたいなこと言うけど…



全然悪いやつらじゃないんだよ。」



何で?謝ってくるアラタくん。



「気分悪かったよな?ごめん」




何か、何だろ。いろんなことに



びっくりしすぎて…



いろんな感情がありすぎて…



でも



「全然、大丈夫だよ?アラタくん。


ちょっとびっくりしたけど、



何か…みんな



サバサバしてて、面白いね。




ちょっと、ほんとに友だちになりたいかも」




ほんと、不思議とイヤな感じとか無かった。



みんなウラオモテなく、



全部口に出す。みたいな感じで



そう思って、萌が言うと




「え。やめて。



萌とはタイプ合わないって」



…そうなのかな。



そうかも?って




納得しながら



思うの。