何でか、力が入ってる



自分の右手を動かして、



アラタは顔を上げた。



ガードレールに腰掛けて見上げる先には



萌の高校までの一本道。




片側に続く青々とした並木から




下ってくる制服姿が見える。



ほんとは



今日来るのも



ビビってた。



学祭で



自分の気持ち、抑えきれなくて



萌に



線引かれたくなくて




トモダチじゃない



俺を意識してほしくて



せいいっぱいのハグだった。



けど、そんなのは



俺の勝手な思いで



萌は…



引いたかも。



何のつもりなんだって



嫌われたかも



なんて、すげー



グチグチ



女々しく考えんの止まらなくて



あー。もういい加減



止まってらんねえっ。



萌に



告りたい。



萌に俺の気持ち知ってもらいたい。



萌に好きだって言いたい…。



って思うけど。



それはまだ無謀だろ?



今は…



ただ会いたいよ。