「お疲れさまでしたー」
お店の正面のドアの開閉音。
スクールバッグを手に急ぐ萌。
数日間、裏口のドア付近に
お店のリフォーム用の機材が置かれることに
なったので
従業員も表から出入りしなくちゃ
ならなくて。
萌は待っているアラタのとこへ
表から回っていく。
花壇に座り込んでるアラタ。
そうだ。
驚かせちゃおうかな。
そーっと、近づく萌。
アラタは…携帯見てる?
ゲームかな。
アラタとの距離が少なくなって…
ん?携帯の…写真?
アラタが見ていたのは…
海のときの
萌。
萌の顔。
しかも、バストアップではなく
(萌の中でここ重要)
なんなら、ちょっと変な顔してる
萌の写真。
ええ?
アラタの顔に視線をうつす萌。
ちょっと
ふっ。って
アラタ、笑ってる。
何それ。何それ。
萌の胸がキュウって変な音たてた。