さっきまでうざいくらい眩しかったくせに




早々と姿を消そうとする太陽。




少しだけ冷えた空気が




身体にあたっていく。



おれらは



何だか、気づまりな雰囲気のまま。




公園の出口へ歩いている。



そのとき、



「これってただの



〝サガ〝だよね」



コウタが口の中でアメ



転がしながら言った。



「女の子だって、アイドルとか…



街でイケメン見ても、



かっこいいーっとか、思うよね?



彼氏がいたって関係なく。



思うだけ。



それと一緒だからさ。



男のムラムラするとか、見ちゃうとか



かっこいいも



エロいも



思うだけだからさ。



そこから何もしなけりゃ



セーフ。



この線引きでいいじゃん?」



さすが


いつものまとめ役コウタ、



何とか空気を和らげようと



「おー、…



コウタ頭いい。



イイネ」



マイペースで引きずらない純が



親指立てて、軽い口調で乗る。



ケンカ担当怖いもの知らずの(そう)



『は?まだ言ってたの?』って顔で、



軽く空に投げたバスケットボールを



キャッチした。



おれは…おれは…



何の担当だっけ?



そんなアホなこと考えた。



萌ちゃんの気持ち軽くするような



言葉。



何か言ってあげたいのに



いや、



言いたいのに…



くちびるの端が、けいれんしそうな




笑顔をつくる萌に



何も、言えなかった。