「アラタくん!」



俺を見つけた、萌が向こうから



かけてくる。




すげえ嬉しそうで、



俺だけ見て



駆け寄ってくる感じ。



かわいいし…



って、いやいや。



今のナシ。



萌の後ろには、この前の



あの、すっごい俺を睨んでたおともだち。



ちょっと風が強いくらいの




天気はいい土曜日。



よく遊びにくるバスケットコートのある




広い運動公園。





後ろのコートでは、もうコウタと奏が



ワンONワンやってる。



萌ちゃんは薄手だけどダボっとしたパーカーに



薄いブルーのデニムのショートパンツ。



連れの紅葉(くれは)ちゃん?は




白地にブラックのドット柄のブラウスに




ブラックのショートパンツ。




斜めがけしているモノトーンのバックは




2人でお揃いみたい。




「すぐわかった?」



アラタが言うと、




「うん。紅葉が来たことあって」




紅葉ちゃん…は、一応ニコって、




笑ってるけど。




ううーん。目の奥では、



俺のこと疑ってんな。




鋭い視線…



何かこわいっす。



「アラタ!」



後ろからコウタが呼ぶ。



萌たちに気付いて、コウタは



ヤッホー。



手を振ってから



「アラタ!入って」



叫んだ。



いつのまにか、コンビニから



戻ってきてたドレッドあたまの純も



コートに入っている。




すかさず萌ちゃんが言ってくれる。



「行ってきて!



見てるね」