若業の朝。



機械科の教室。




いつものように、机にあぐらで



動画を見て



ニヤつく純。




そんな純を見ながら




いつものようにおにぎりを食べ終わった




コウタ。



そのコウタが



「で?」



純の左側に声をかけた。



純とケータイの間に入るように




純の肩に




額をつけているアラタ。



「今度はどったの?



モエモエとケンカでもした?」



「モエモエとか言うな!



ケンカなんかするか」



「じゃ、どうしたの?」



「…萌が触らしてくんない」



ポツリ。



アラタが言う。




「は?何で?



アラタとエロいことしたいって



言ったんだろ?」



コウタが言うと




「エロいことしたいとは、言ってねぇ!」



キレ気味で答えるアラタ。



「何か。



『あの、ほんとに心臓がドキドキしすぎて…
私、倒れちゃうかも?
ごめ、ごめんね。アラタくん。
嫌とかじゃないんだよ。全然。ほんとに。
アラタくんしか、アラタくんじゃなきゃ…
でも、何か、やっぱり。この…その
胸とか?見せるとか、触るとか
考えたたけで、心臓が…
アラタくん。
もうちょっと待ったりとか…
私のこと嫌いになる?
ほんと?
ごめんね。ありがとう。』







「ううう。」


嗚咽をもらすアラタ。



「カッコつけて、全然待つよ。



とか言っちゃったわけ?



待つってどれくらい?」



コウタが言うと



「……『一年くらいかな』







「長っ。1年って」思わずウケるコウタ。




「待てんの?」コウタが聞くと





「………」




長いこと溜めた後




「触らなきゃいいんだろ!



ちっきしょー!好きだ!待てる!



見ねえし、触らねえ!



ふんだ。いいもんね。



楽しみが1年後になっただけ…」



持ち直そうとしたアラタだけど、



途中から



「ううう。」



また、嗚咽。