「雪姫の隣に正騎が座っただろ?」
「………その時、何かあったのか?」
確かに座った。
けど勉強してる雪姫達に、俺と佐藤が合流してすぐだ。
その時、何が………?
「雪姫の髪に触っただろ?」
「………あぁ。触ったな」
「…………」
「…………は?」
まさか、髪に触っただけで??
皆んな雪姫の髪を褒めてた "流れ" だったはず。
だから俺も "流れ" で……。
「……佐藤は……触ってない?」
「そこじゃねぇよ」
心底呆れかえった言い方で吐き捨てる空人。
「正騎は無意識に動いたんだろうけど、正騎が隣に座っただけで雪姫が動揺したんだよ。
雪姫の髪に触れた時、雪姫は明らかに正騎を意識したんだよ」
「………そ、うなのか……?」
確かにあの時は無意識に髪に触れた。
でも、それだけで?
「言っただろ?
俺も海人もずっと雪姫を見てきたんだ。
だから海人もあの "嶋村" と気付いてなかったのに正騎に喧嘩腰になったんだよ」
「………」
まさかそんな事で……?
それだけで雪姫が俺を……?
「だからさっさと告れ」


