君とみたあの夏の流星群。


「マジか!!幻のクリームあんぱんは、普通のあんぱんと違って、白あんを使ってるんだよ。ふわふわのパンに白あんとカスタードクリームのコラボレーションが最高なんだ!」


「へぇー」


俺は、熱く語る樹の話を軽くスルーしてから、ふと思う。


んっ?


まさか……
このために、俺は連れてこられたってわけ?


案の定、俺の予想は的中する。


「この争奪戦に勝つためには、1人より2人の方が確実にゲットすることが出来る!!そういうわけだから、碧都、幻のクリームあんぱんを手に入れてくれ!」


やっぱり、そういう魂胆だったのか……


樹は、それだけ言うと、すぐさま幻のクリームあんぱん争奪戦の人混みの中へ進んでいった。


「……はぁ、仕方ない」


俺は、重い足を何とか人混みの中へと進めて、争奪戦に参加した。