君とみたあの夏の流星群。

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購買へ向かうと、何やら騒がしいことになっていた。


いつもの倍以上の人で、購買の周りは、賑わっている。


「何、この人の多さ」


購買を取り囲むように群がる生徒と先生の姿に、俺は、驚いた。


さすがに……この、人混みの中を買いに行くには、勇気がいるんだけど。


「……争奪戦になってるのか」


隣でその様子を見ていた樹は、やっぱりか。と、言う顔をして呟いた。


「はっ?」


「碧都、知らないのか?限定販売の"幻のクリームあんぱん"を!!でも、まさか、こんなに人がいるとは思ってなかったな……」


樹は、目を輝かせたと思ったら、今度は、落ち込んで肩を落とす。


そもそも、何だよ、幻のクリームあんぱんって…。


普通のあんぱんと何が違うんだよ。


「知らない」そう答えれば、樹が幻のクリームあんぱんについて熱く語りだす。