【完】溺愛したいのは、キミだけ。

さらにはその場に立ち上がると、ボールをひょいと蹴り上げ、そのままリフティングをしはじめて。


え、すごい……!


彼の足の甲の上で、踊るように跳ねるボール。


「はいよっと」


翠くんがそのボールを最後手でキャッチして、駆け寄って来た男の子に手渡す。


そしたらその男の子は目キラキラさせながらボールを受け取り、翠くんをまっすぐ見上げた。


「うわぁ~っ! お兄ちゃんすごーい! もっとやって!」


今のリフティングに感動したみたい。


「ははっ、いいぜ。任せな」


男の子にせがまれた翠くんは、さっそくまたその子からボールを受け取ると、またしても見事なリフティングを披露してくれて。


そのボールは足だけじゃなく、膝、それから頭の上まで軽やかに運ばれていく。


「すごーい!!」


ますます感激した様子の男の子。私も思わず見とれてしまう。


すごいなぁ。カッコいい……。


サッカーボールを蹴り上げる翠くんは、どこか少年のような表情をしていて、すごく楽しそう。


「はい。ボール」


最後、再びボールを手に取り男の子に返したら、その子は嬉しそうに笑っていた。


「お兄ちゃん、ありがとう!」


「おう、またな」