【完】溺愛したいのは、キミだけ。

どうしよう。嬉しい……。


そんなこと言ってもらえたの、初めてだよ。


なんかちょっと、うるうるしちゃう。


「翠くん、ありがとう」


まっすぐ彼を見上げ、お礼を言う。


その瞬間、翠くんがなぜか少し驚いたように目を見開いた。


そして頭からパッと手を離すと、自分の口元に当てて。


「……そういう顔されると、ヤバいな」


「えっ?」


「いや、なんでもない」


どうしたんだろう。


でも、気のせいかな。翠くん、なんかちょっと顔が赤いような……。


「あーっ! ボール待って~!」


するとその時、すぐ向こうから子供の大声が響いてきた。


振り向くと、こちらに向かってコロコロと転がってくるサッカーボールが一個。


そしてそれを追いかけるように走ってくる男の子の姿が見える。


翠くんは転がってきたそのボールに気が付くと、すかさず片足で止めた。