【完】溺愛したいのは、キミだけ。

言いながら自信なさげに下を向いたら、今までいろんな人から言われた言葉をつい思い出してしまった。


『お姉さんと妹は可愛いのに、真ん中だけ地味だよなー』


『一人だけ普通すぎるっていうか、残念な感じ』


翠くんも、お姉ちゃんや美羽と私を見比べたらきっとそう思うんじゃないかな、なんて不安になってしまって。


その時ポンと頭に乗せられた、翠くんの手。


「普通って、なに」


「えっ?」


思わず顔を上げたら、こちらをまっすぐ見つめる彼と目が合った。


「俺にとっては特別なのに?」


「……っ」


思わぬことを言われて、ドキッと跳ねる心臓。


待って。それは、どういう意味なのかな。


「えっと、あの……っ、特別っていうのは……」


おそるおそる尋ねたら、翠くんはフッと優しく微笑んだ。


「そのまんまの意味だよ。だから、ヒナはヒナでいいじゃん」


そして、その手の平で私の頭をよしよしと撫でてきて。


その言葉で、なんだかとても救われたような気持ちになった。