【完】溺愛したいのは、キミだけ。

途中、いつも通るカフェの前まで来たところで、翠くんが声をあげた。


「なんかあのカフェ、人がいっぱい並んでる」


見ると、確かにちょっと行列ができている。


「そういえば、新作のフラペチーノが最近出たって妹が言ってたかも。そのせいかな?」


「あぁ、それ俺も広告で見た。桃のやつだろ。あれすげー美味そうだよな」


「うん。私もちょっと気になってた」


私が答えると、翠くんが即答するように言う。


「じゃあ飲もっか。俺たちも」


「えっ」


ウソ。一緒に?


いいのかな?


「ヒナ、時間ある?」


「うんっ」


そして彼は、ふいに私の手首をギュッと掴むと、そのまま行列の最後尾に向かって歩き出した。


どうしよう。なんかこういうの、放課後デートみたい。


翠くんとこんなふうに寄り道できるなんて、嬉しいな。