【完】溺愛したいのは、キミだけ。

「あ、ありがとう。でも、いいの? いつも一緒に帰ってる友達とかは……」


少し気になって聞いてみたら、翠くんはケロッとした顔で答える。


「そんなの全然気にしなくて大丈夫。俺がヒナと帰りたくて待ってたんだし」


そして、こちらを向きニコッと笑うと、そのまま歩き出した。


「行こ」


「あ、うんっ」


ドキドキしながら彼についていく。


どうしよう。まさか、翠くんが私と帰るために待っていてくれたなんて。


ただの気まぐれ? それとも、私と一緒にいたいからだったりするのかな。


いやいやいや、そんなわけが……。


ダメだなぁ。嬉しくて顔がにやけちゃうよ。


校門を出て、翠くんと並んで会話しながら歩く。


だけど、さっきからずっと周りの視線が気になってる。


翠くんはやっぱりすごく目立つから、みんな彼のことを見てるのがわかるし、中には「翠くんが女の子と帰ってる!」なんて言って指を差してくる人もいて。


翠くんはいいのかな。こんなふうに私と二人でいるところを見られても。


勘違いされたら困らないのかな。


でも、さりげなく車道側を歩いてくれたり、歩く速度が遅い私に合わせてくれる彼は、やっぱりとても優しい。


翠くんは、どうしてこんな私にいつも構ってくれるんだろう……。