【完】溺愛したいのは、キミだけ。

すると次の瞬間、私の後ろで束ねたポニーテールに手で触れてきて。


「可愛い」


――ドキン。


「あ、ありがとうっ」


翠くんに褒められると、やっぱり特別嬉しいって思ってしまう。


そこで翠くんは何を思ったのか、髪の毛の束を持ったまま、そこに顔を近づけると。


「……ヒナの匂いがする」


わあぁ、ち、近い!


「えっ、わ、私の?」


「うん。いつものシャンプーの匂い」


うぅ、そんなふうにされたら、めちゃくちゃドキドキするよ。


でも、どうしていつものだってわかるのかな。


たしかに私、いつも同じシャンプー使ってるけど、そんなに匂いってするものかな?


翠くんがそっと顔を上げ、イタズラっぽく笑う。


「俺、この匂い好き」


「……っ」


べつに私のことを言ったわけじゃないのに、「好き」って言葉に思わずドキッとしてしまった。


このシャンプー、使っててよかったなぁ……。