【完】溺愛したいのは、キミだけ。

俺がそう言って眉をひそめたら、ヒナがクスッと笑う。


「ふふふ、わかるかも」


「ヒナも居眠りとかすることあんの?」


「うん。5時間目とかたまにウトウトしちゃう時あるよ」


「マジか。ヒナがウトウトしてる顔、すげー見てみたいんだけど」


「えぇっ、恥ずかしいよっ」


「ははっ」


――ガラッ。


でもそんな楽しい雑談の最中、思わぬ邪魔が入った。


誰も来ないと思っていた社会科準備室のドアが開いた音がして。


「あれ、誰か来た」


「ほんとだ」


思わずヒナと目を見合わせたら、次の瞬間ドアが閉まる音と共に、誰かの会話する声が聞こえてきた。


「なぁ、ここなら誰も来ないんじゃね?」


「えーっ、ほんと? 誰もいない?」


「大丈夫。いないって」


二人組らしき男女の声。カップルか?


もしかして、人目を盗んでイチャつきに来たとか。