【完】溺愛したいのは、キミだけ。

颯希のほうからそう言ってもらえて、少しホッとする。


だってまだ、気持ちの整理がつかないから。


そこでおそるおそる彼を見上げたら、今日はじめて目が合った。


「ゆっくり考えて。俺の気持ちはずっと変わんないから」


まっすぐな目で見つめられて、また心臓がドキンと跳ねる。


「う、うん……」


どうしよう。そんな顔でそんなふうに言われたらなんか、ドキドキしちゃうんだけど。


なんで私、颯希相手に……。


そしたら颯希はそこでクスッと笑うと。


「そんな深刻な顔すんなよ」


「だ、だってっ」


「美羽はいつも通りにしててくれればいいよ」


そう言って私の頭をポンポンと叩いた。


そんなこと言われても、すでにいつも通りにできてないよ。


どうしたのかな、私。今まで颯希のことなんて全然意識したことなかったのに。


なんでこんな急に意識しちゃってるんだろう……。


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