【完】溺愛したいのは、キミだけ。

するとそこで、数秒間沈黙が流れて。


「……じゃあ、俺のは?」


「えっ!」


ちょ、ちょっと待って。


それはもしかして、今ここで返事しろってことかな?


「えーっと、それは……」


どうしよう。急に言われても私、どうしていいかわかんないよ。


なんて言えばいいのかな。「もう少し待って」って言う?


でも昨日も私、何も言えなかったし、何か返事しないと颯希だって困るよね。


そう思って口を開こうとしたその瞬間、颯希がギュッと私の手を握った。


「なんてな」


「えっ……?」


「っていうかまだ、返事いらない」