【完】溺愛したいのは、キミだけ。

ほんとはあの時、すごくドキドキした。


でもそれは、キスされること自体が初めてだったからなのかもしれないし……。


「ほら、美羽だってちょっとはドキドキしたんじゃん。私はお似合いだと思うけどねー」


そう言ってポンと肩を叩いてくるメイ。


「え、ちょっと待って。私何も言ってないっ」


「あら、ウワサをすればダーリンの登場だよ~」


「えっ!」


言われて教室のドアのほうに目をやったら、そこにはたった今登校したばかりの颯希の姿があって、心臓がドキンと跳ねた。


わぁっ、ど、どうしよう。


昨日の今日で、どう接したらいいかわかんないよ。


「それじゃ私、お邪魔だからあっち行ってるね~」