【完】溺愛したいのは、キミだけ。

「ど、どっちも好き……」


「例えばさ、元から好きな子がいたけど、コトちゃんと出会って、コトちゃんのことも気になりだしちゃった、みたいな」


そう言われて、たしかにそういう可能性もあるのかもしれないと思ってしまった。


「そっか……。じゃあそれで、今までも電話してくれたり、デートに誘ったりしてくれてたのかな」


「わかんないけど。でも、コトちゃんにも気があるから誘ってたんじゃないのかなぁ? じゃないと海までついて来ないでしょ」


「……」


それじゃあ、私に気があること自体は本当なのかな? 少しは好意を持ってくれてたのかな?


でも、他に好きな子がいたなんて、やっぱりショックだよ。


しかもそれを目の前でハッキリ言われちゃったし……。


「でもやっぱり、コトちゃんは神城先輩のことが好きなんだね」


「えっ?」


「だって、だから泣くほどショック受けてるんでしょ?」