【完】溺愛したいのは、キミだけ。

家に帰るとリビングには美羽がいて、泣いてる私に気が付いた彼女は、すぐさま慌てた様子で声をかけてきた。


「ど、どうしたのっ、コトちゃん!」


「うぅっ……」


泣きながら、とりあえずソファーに腰掛ける。


「今日ってデートだったんだよね? もしかして、神城先輩に何か変なことされた!?」


「ち、ちがうの……っ」


「じゃあ何があったの?」


一瞬ためらったけど、こうなったら美羽に相談してみたほうがいいかなと思い、おそるおそる切り出す。


「あのね、玲くんに……好きな子がいるって言われたの。だから、花火大会に誘われたけど、断っちゃった……」


「はあぁっ?」